しわのわについて
「しわのわ」は、広島県東広島市・志和町(しわちょう)を拠点に、地域に根ざした学びや交流の場づくりをおこなう一般社団法人です。
人と人、人と地域をつなぎ、持続可能な学びと暮らしを未来へ残す活動(志和の教育や文化を支える仕組みづくり、茅葺きの保全活動、空き家の活用、地域ツアーイベントなど)を行なっています。
志和という地域について

志和は、広島県東広島市の山あいに広がる盆地で、 四季や天候によってホタルやレンコン畑など美しい景色を見ることができます。
農業に従事する人も多く、「自然が近くにある」「人がとてもあたたかい」など多くの魅力を秘めた地域です。
今回のインタビュー
そんな志和の魅力を発信する活動を行っているのが、しわのわのメンバーである鈴木 裕太(すずき ゆうた)さんです。
「志和は地域の人たちがとても面白い。ぜひデジタルから離れて、志和に来てほしい」という彼に、密着インタビュー!
志和に惹かれた理由
鈴木さんが志和に通い始めた最初のきっかけは、『手伝ってよ』の一言でした。

大学時代に知り合った人たちのつながりで、志和は「仲間がいるから行く場所」になっていきました。最初から明確な目的があったわけではなく、行ってみたら面白かったそう。もう一度行きたくなり訪れる、そんな自然な引力で志和との接点が育っていったと言います。
「五右衛門風呂なんかがあったり。外で肉焼いたり。…鴨をその場でさばいて、吊るして、血抜きして食べるとか」
いまの生活圏ではなかなか経験できない、昔ながらの暮らしの手触りが、志和にはありました。便利さから少し離れて、手を動かし、火を起こし、志和のものを食べて楽しむ時間が、自然とデジタルデトックスにもなっていたそうです。そんな中で“志和に行く理由”が積み重なっていきました。
▶︎かもかも新聞
(↑鈴木さんと「しわのわ」代表が大学生のころの、幻のウェブサイトが残っていました!志和や東広島をよく知る方にグサグサ刺さるかもしれません。そしてお二人ともお若い!)
大学生時代について
鈴木さんは大学生のとき、インターネットに関心をもつ学生でした。同時に、生活する中で違和感も抱えていたと言います。
「高校までは家族や先生、友だちなど限られたコミュニティの中で生活していた。大学に入れば狭かった世界が広がると思っていたのに、むしろもっと狭く感じた。バイト先も居酒屋も、周りは大学生ばかり。社会との接点が薄いまま、4年間が過ぎていく感覚でした。」
「大学生と地域の人とビジネスをしてる人とかが一緒になれる場所があったらいいな」と思っていたそうです。
その想いを周囲に話していたら、「いい場所があるから、ここで何かしないか」と声がかかり、カフェをやってみることになったそう!この経験は鈴木さんのキャリアにつながっていきました。
「ホームページを作ってほしい」「Excelを教えてほしい」
地域の人々からの頼まれごとから仕事が生まれ、ウェブ制作の会社へ進んだそうです。
どんな活動をしているか
現在、鈴木さんが「しわのわ」で担っているのは、主に情報発信と会計業務です。志和の近くに住んでいなくても関われる形を探して、今の形になったのだそう。(しわのわのウェブサイトの記事の多くは、鈴木さんが書かれています!)
そしてもうひとつ、鈴木さんが続けているのが茅刈り(かやかり)です。茅刈りとは、茅葺き(かやぶき)屋根の材料となる草を刈って束ねる作業のことです。言葉だけ聞くと大変そうですが…?
「いや、そんな大変じゃないですよ」
「楽しいです。みんなで話しながらやると」

冬の冷たい空気のなか、地域の人たちが焚き火を用意してくれることもあるそうです。ロケットストーブやドラム缶ストーブが現れて、火を囲む時間が生まれます。地域のイベントでは「しわのわ」からもコーヒーが振る舞われたり、地域の人が甘酒を配ることも。
外でワイワイしながら、火を囲んで飲み物を飲む。作業そのものだけでなく、その場に漂う“人の温度感”が楽しいそうです。鈴木さんの「来てほしいですね」という言葉には、「この空気を一度体験してほしい」という気持ちがにじみ出ているように感じます。
大変さ・続ける理由

社会人になり、広島市内に住み始めた鈴木さん。年齢を重ねるにつれて志和へ行く機会も減っていきました。しかし、志和には“残したい景色”があるのだそうです。
「やっぱり茅葺きがなくなっていくのは、悲しいなと思います」
初めて訪れた志和の「ホタルの宿自然学校」の茅葺き屋根の風景が、鈴木さんの心の中に強く残っているようでした。そうした思いが、鈴木さんが活動を続けるエネルギーになっているように感じます。
鈴木さんからメッセージ
「まずはやっぱり茅刈りを一緒に、記事を見てくれた人とやって。その中で志和を知ってもらえたらいいなと思います」
茅刈りをする際は、背丈より大きい草を刈り取ります。冬の外作業にはなりますが、地域の人とあたたかな交流が生まれます。
(前回のインタビュー記事で詳しく知る)

「外でみんなとワイワイしながら火を囲んで飲み物を飲んだりするのもすごく楽しい。来てほしいですね。ぜひ」
志和は、”観光地するための場所”というよりも、いっしょに手を動かし、地域の人と混ざり合って、帰るころにはいつの間にか心が満たされている、そんな場所かもしれません。
もしも最近、デジタルに触れる生活の中で呼吸が浅くなっている感じがしていたら。
ぜひ志和へ足を運んで、深呼吸をしてみてください。
記事を書いた人
宮﨑 晴香(みやざき はるか)
佐賀県在住。「しわのわ」の広報チームとして活動紹介やInstagramを担当。学生時代に志和の古民家シェアハウスに住んだ経験から地域の魅力にハマる。志和から離れた場所にいても関わっていける方法を模索中。